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たしかに初めてファッション史を読む人には、わかりやすい本だと思う。
その時代のアートやデザイン思潮と絡めて書いているところも「文化史」になっている。
ただし、ここに書かれていることのほとんどが、ファッション史もデザイン史も文化史も、
すでに他の人によってより詳細に書かれたことである。
それら深く掘り下げた先人の研究の表層をかすめ取って、読みやすく、
編年構成で20世紀を概観しようとすれば、このような本はできるだろう。
著者独自の新しい視点、新規な論はほとんどない。
それが「教科書」としては、読みやすくはなっているのだろうが。
著者は外国語文献は、やたらと本文に引用するが、内容の多くは日本の文献をもとに書いている。
つまり自分の文章として書いている部分の多くは、すでに日本で誰かが書いたものなのである。
リーバイスのジーンズの詳細、クレア・マッカーデル、スウィンギング・ロンドンの詳細、
パンクとシチュエーショニストとの関係性、70年代に入ってのレトロ傾向の分析など、
みなすでに他の人がより詳細に書いている。であるならば、より「独創的な視点」が必要ではないだろうか。